Skip to Content

Category:例会

2月第302回例会のご案内

 

開催日 08.gif 平成31年2月2日(土) 開場 08.gif 13:00
会場 08.gif渋谷区千駄ヶ谷区民会館 開会 08.gif 13:30 終了予定16:30
会場整理費 08.gif 500円

※ 午後時間の開催です。

発表者と演題
(前半)08.gif  本田 裕子(ほんだゆうこ)氏
 『銀河鉄道の夜』と「天の川」との距離

 以前に『銀河鉄道の夜』での「天の川の水」について発表した(平成二十九年六月『銀河鉄道の夜』における「天の川の水」)が、今回はそれとはまた別のベクトルとして、ジョバンニと「天の川」を考えたい。
 本作の全ての次稿で描かれている、ジョバンニの悲しみ。その中で「天の川」がどのように描かれているのかを探り、関係性を述べたい。
 ジョバンニが難破船の少女とカムパネルラの仲良さに、「つらい」、「かなしい」と思い始め、不機嫌になる。その時に「天の川」はジョバンニから離れて、「たうもろこし畑」の風景になる。その後も「天の川」の風景ではない時、ジョバンニは不機嫌である。しかし、「天の川」に車窓から見え始めたことにより、ジョバンニの機嫌がよくなり、不機嫌になることはなくなり、「天の川」は汽車の傍らで流れ、離れることはなくなった。
 以上のことを踏まえると、ジョバンニと「天の川」が連動していると想像できる。
(会員)


(後半)08.gif  正海 澄恵(しょうかいすみえ)氏
 「私の宮沢賢治」 

 高校生の時に宮沢賢治に魅せられて以来、作品に触れ伝記や研究書を読み、自分なりの賢治像を追いかけてきた。生誕100年、120年などの賢治ブームもあり、TVや雑誌の特集などでも幾度となく取り上げられ、関連書籍も毎年多く出版され続けていて、一般的な賢治像はそれらによる部分も大きいと思う。資料の発見や調査によって近年あきらかになったことも多々ある中で、私の賢治像も当初とはかなり違ってきている。広く知れ渡った一般的な賢治像の変遷とはある程度は同期しているはずである。その辺りの経緯を振り返り、比較をしながら、地方の一賢治ファンの「私の宮沢賢治」を話してみたい。
(会員)

プロジェクター使用=なし(型番)

12月第301回例会のご案内

 

開催日 08.gif 平成30年12月1日(土) 開場 08.gif 13:00
会場 08.gif渋谷区氷川区民会館 開会 08.gif 13:30 終了予定16:30
会場整理費 08.gif 500円

※ 午後時間の開催です。

発表者と演題
(前半)08.gif  岡村 民夫(おかむらたみお)氏
 宮沢賢治と活動写真

 宮沢賢治における映画の影響を考える場合、ともすれば忘れられがちなのは、彼の生前における映画(活動写真)の興行形態・受容形態が現在のそれらと非常に異なっていたという側面である。本発表では、花巻・盛岡の映画上映のあり方、幻燈・ジオラマ・演劇等の隣接メディア、弁士や学士の存在に注意を払いながら、「雪渡り」、「〔冬のスケッチ〕」、「セロ弾きのゴーシュ」、「双子の星」、「グスコーブドリの伝記」、「銀河鉄道の夜」等を再検討したい。同世代の作家・稲垣足穂の映画経験との比較を通し、フランスの初期ファンタジー映画が賢治文学に大きな痕跡を残したとする仮説を提示することにもなる。また、ゴーシュのモデルをめぐる新説も呈示する。
(宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員、表彰文化論学会会員、法政大学教授、会員)


(後半)08.gif  伊藤 卓美(いとうたくみ)氏
 賢治の”光”の”色”を考える 

 ―水彩画を再現してみて―
 校本全集には、賢治の描いた水彩画が6点記録されている。
 カラー写真で掲載されているが、その中野「月夜のでんしんばしら」(仮名)・「竜巻の絵」(仮名)・の2点が”戦災での焼失により現存せず。原画のモノクローム写真が残されていたものに、宮沢清六氏の監修によって彩色したもの”となっていた。
 白黒の写真の上に色を付けたようなので、暗い絵で、他の水彩画と異質なものだった。注釈を読まなかった人には「賢治はこんな暗い絵を描く人だった」と云うイメージを与えるのではと、私は危惧していた。
 賢治の童話には、透明感のある”色”の表現が多用されているので、実際の賢治の{色感」はどうだったのだろうかと、水彩画を顕彰、その再現を試みてみた。
(木版画家)

プロジェクター使用=あり(型番)

8月第300回例会のご案内

 

開催日 08.gif 平成30年8月4日(土) 開場 08.gif 17:30
会場 08.gif渋谷区千駄ヶ谷区民会館 開会 08.gif 18:00 終了予定21:00
会場整理費 08.gif 500円

※ 夜時間の開催です。

発表者と演題
(前半)08.gif  正木 晃(まさきあきら)氏
 宮澤賢治の法華経信仰

 先年、国際日本文化研究センターで宮澤賢治を対象とする研究会が開催された折、痛感したことがあった。賢治研究者の伝統仏教に関する知見が、きわめて乏しかったのである。とりわけ賢治が帰依していた法華経については絶望的なほど無知であった。それどころか、代表的な研究者の中にも、あえて無視しようとするかのような態度が見られた。今回の発表では、これらの事実をふまえて、賢治の法華経信仰について述べたい。
(宗教学者)


(後半)08.gif  杉浦 静(すぎうらしずか)氏
 大正一〇年の〈東京〉体験
―「「東京」ノート」の短歌・スケッチ・散文から考える 

 「「東京」ノート」中の「〔東京〕」の章は、「歌稿〔B〕」や失われた〈東京のスケッチ〉とも呼ぶべきスケッチ集から抜き出された(と推定される)短歌連作及び短唱(スケッチ)からなっている。このうちの「一九二一年一月より八月に至るうち」の中には、題材の日時がほぼ特定できるものがいくつかある。それらから、この章は書かれた日付順に並んでいると推測される。この章に並ぶスケッチのうち、タイトルの付されているのは「公衆食堂(須田町)」と「孔雀」の二篇のみである。章末に断片的に記された「◎図書館(ダールケ博士)」「◎床屋の弟子とイデア界」「◎」は、この章に入れるはずであった散文作品のタイトルと推測され、それぞれ〈初期短篇綴等〉の「ダルゲ」「床屋」「電車」が対応していると思われる。今回の発表では、これらの複数のジャンルのテクストに表象された、賢治のこの時の〈東京〉体験の意義をあらためて考えてみたい。
(会員、大妻女子大学教授)

プロジェクター使用=あり(型番)

6月第299回例会のご案内

 

開催日 08.gif 平成30年6月2日(土) 開場 08.gif 17:30
会場 08.gif渋谷区千駄ヶ谷区民会館 開会 08.gif 18:00 終了予定21:00
会場整理費 08.gif 500円

※ 夜時間の開催です。

発表者と演題
(前半)08.gif  秋枝美保(あきえだみほ)氏
 啄木文学の到達点と賢治の心象スケッチ

 啄木『一握の砂』(一九一〇・明治四十三年)が賢治の短歌執筆に影響を及ぼしたであろうことはすでに佐藤通雅をはじめ言及のあるところであるが、両者の作品についての具体的な指摘はそれほどなされていない。啄木の到達点と賢治の短歌及びその後の「心象スケッチ」への展開との関係を、啄木の晩年の詩論「食ふべき詩」および晩年の短歌作品と賢治の作品とを比較して検証する。啄木が北海道から再度上京して後、文学について新たな境地に立ったことはすでに指摘のあるところであり、短歌創作についても新たな自覚が生じていた。その中で「詩は所謂詩であつては可けない。人間の感情生活(もつと適当な言葉もあらうと思ふが)の変化の厳密なる報告、正直なる日記でなければならぬ。〔中略〕―まとまりがあつてはならぬ。」と述べており、その意味と実作の関係を検討するとともに、賢治の作品と比較し、両者の立場の連続性について指摘する。
(会員、福山大学人間文化学部教授)


(中間)08.gif  総会(30分の予定)


(後半)08.gif  ものがたりグループ☆ポランの会 彩木香里(さいきかほり)、小川智代(おがわともよ)他 氏
 朗読 心象スケッチ『春と修羅』より 

 ものがたりグループ☆ポランの会は、2004年から、宮澤賢治の童話の全作品上演を目指して活動しています。
 宮澤賢治が描いた情景や状況、紡がれた言葉やリズムを物語のまま伝えたいという想いから原作に書かれてあるまま表現することを基本とし、一人で語る「一人語り」、数人で演ずる「語り合わせ」、「朗読」の3つのスタイルで表現しています。
 いままでは、ほとんど童話を中心に活動して来ましたが、今回、機会をいただいて、宮澤賢治の「詩」に本格的に挑戦します。一般に通常の話し言葉で構成される「童話」と異なり、「詩」はその一つ一つの言葉に、イメージの凝縮があり、対象作品によっては「音声」に移し替える作業がかなり難しいものもあります。同時に、童話朗読には無かった面白さなども感じているところです。ご期待下さい。
 朗読予定作品は、心象スケッチ『春と修羅』より、序、春と修羅、小岩井農場パート7(部分)、小岩井農場パート9、岩手山、東岩手火山(部分)、無声慟哭、青森挽歌(部分)、噴火湾(ノクターン)、不貧欲戒、初版本目次を準備していますが、全体の構成から、ある程度省く可能性がありますので、よろしくお願いします。
(会員)

プロジェクター使用=無(型番)

4月第298回例会のご案内

開催日 08.gif 平成30年4月7日(土)開場 08.gif 17:30
会場 08.gif渋谷区氷川区民会館開会 08.gif 18:00 終了予定21:00
会場整理費 08.gif 500円

※ 夜時間の開催です。

発表者と演題
(前半)08.gif  ベルチャ・アドリアン(Adrian Bercea)氏
 宮沢賢治とシャーマニズム―研究の問題性と可能性

 シャーマニズムは、宮沢賢治の作品への理解において、非常に重要な構成要素だと言われる。同時にこの要素は直接に目に見えるものではなく、著作の深層に隠れて存在しているものだとも指摘されてきた。これは、もとより宮沢賢治とシャーマニズムというテーマを取り扱う際の、研究者にとって方法論的に難解な問題であった。この問題に加え、先行研究における著者の人格をシャーマニズムと関連させて論じる傾向と、オカルトなものとしてのシャーマニズムへの偏見とが合わさって、この研究が停滞するという現状に至った。
 これらの問題を乗り越えるために、シャーマニズムの理論により厳密なアプローチを試みる。本発表では以上の問題を整理したうえ、この新たなアプローチについて説明する。最後に、集大成とされた「銀河鉄道の夜」を中心に、賢治作品にあるシャーマニズムの要素を掘り出し、それらの重要性を指摘して、この研究の可能性を示す。
(会員、関西大学大学院博士課程後期課程、ルーマニア出身)


(後半)08.gif  浜垣 誠司(はまがきせいじ)氏
 宮沢賢治の他界観 ―その非仏教的側面と現代的意義―

 宮沢賢治は一貫して敬虔な仏教徒であり、その世界観は基本的に仏教の教理に則っていた。「死者の行方」という問題に関しても、母親を亡くした保阪嘉内に送った手紙では、日蓮の教えに従い母の後生のために如来寿量品を書くよう強く勧めており、そこには何の迷いも見えない。
 妹トシの死去に際しても、当初「永訣の朝」や「風林」には、彼女が天界に生まれるよう願う信仰と祈りが記されていたが、しかしその後の作品群は、次第にこのような仏教的輪廻転生観には収まらなくなっていく。「白い鳥」に引用されているヤマトタケル伝説をはじめ、日本固有の他界観に根ざしたイメージが、次々と展開されていくのである。
 こういった賢治の他界観の「非仏教的」側面は、これまであまり注目されてこなかったが、当日は特にそのような面に光を当てつつ、トシ追悼過程における彼の他界観の動揺・変遷を、作品に沿って辿ってみたい。
 ある意味では、ここで賢治が仏教のみに徹することができなかったからこそ、苦悩とともに彼は無意識の底から豊穣なイメージを紡ぎ出し、これが図らずも現代に生きる我々の深い共感を呼び、示唆を与えてくれているとも言える。
(会員、精神科医)

プロジェクター使用=有(型番)